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【場面緘黙症】克服に役立ったと思う経験【当事者】

こんにちは、むんです。

 

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「場面緘黙に悩んでいる」

「このまま話せないままなのかな」

「克服した人の経験談を知りたい」

 

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そんな方へ向けてこの記事を書いています。

わたしは幼少期に場面緘黙を持っていました。大人になり克服はしましたが、対人交流には悩むことが多く、今でも試行錯誤しながら色んな方法を探しています。そんな私が、克服のために役立ったと思う3つの経験をお話したいと思います。

 

 

場面緘黙症について知りたい方は、こちらの記事を参考にして下さい。

 

misa-voice.hatenablog.com

 

 

目次

 

場面緘黙症の克服のために役立ったと思う3つの経験談

 

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アルバイトの経験

 

アルバイトの経験が役立ったと思う理由はこちらです。

・多数の人と関わることで「声を出す」ことに慣れた

・接客業を選んだことで人との関わりに慣れた

・自分で働いてお金を稼いだことが「自信」に繋がった

 

私は大学生の4年間、ファーストフード店でアルバイトをしていました。

始めたきっかけとしては、自分の稼いだお金でアイドルのコンサートに行きたかったこと(少し特殊な理由ですみません)。そしてコミュニケーションに慣れたかったこと。あとは自宅から近いと言う理由で選んだアルバイト先ではありましたが、4年間続けることができました。

 

 

 

大学生当時、場面緘黙の症状はほとんど和らいでいましたが、他者とコミュニケーションを図ることが苦手であることには変わりありませんでした。友人と話していても会話が続かず、また話しかけられたら返事はできるけど自分から話しかけることが出来ないなど。このまま社会に出て働いていけるのだろうかと不安に思っていました。

 

アルバイトの内容としては、主に接客8割+調理等のバックヤード業務2割。

最初のうちは声が小さいと注意されたり、声がどもってしまいお客さんから指摘されたりなど、ただでさえ緊張しているのに辛いことばかりでした。

ただ接客業に関しては、ある程度決められた型があります。

いらっしゃいませ→注文を聞く→注文を繰り返して確認する→お会計をする→商品を渡す→ありがとうございました

その型の通りに話すことで、ある程度は成り立つのかなと思います。(もちろん臨機応変な対応やお客さんに合わせた会話も必要です・・・)

そうして決められた型通りに接客をしていくことで「話すこと」自体に慣れていけたと思います。声が小さかったりどもったりもしながら試行錯誤して、自分の接客の型を見つけていきました。

 

余談ですが、私のアルバイト先はクリスマスがいちばん忙しくなる時期でして(これを言ったらどこで働いていたかバレそう)、本当に目が回るほど忙しかったです。ある程度忙しい環境で働いたことも、今思えば「働くことの大変さ」を知れたので良かったですね。ちなみにクリスマスの時期は、仕事が担当制になります。接客担当、調理担当、商品詰め担当など割り当てられました。私はというと接客担当になってました。「いつも落ち着いた対応をしているから」と評価して貰っていたようです・・・。

 

 

福祉施設での実習体験

 

ふたつめは大学生時代に経験した社会福祉施設での実習です。役立ったと思う理由としてはこちらです。

・会話の技術を学ぶことができた

・考えていることや悩んでいることを口に出せるようになった

・人の役に立つ仕事(福祉)をしたいという今後の軸を見つけた

 

大学2年~3年生の時に、福祉施設へ約2か月実習に行きました。

社会福祉士という資格取得を目指した授業を専攻しており、実習もそのひとつでした。

最初はまず利用者さんとのコミュニケーション。

話すことが苦手のまま生きてきた私にとってはとても大変なものでした。会話が続かない、何を話していいのかわからない、そして沈黙・・・。

 

ただ実習をする大きな目的としては「利用者さんの生活支援」を考えること。

生活の中で困っていることはあるか?その人らしく生活するためにはどんな環境や周りの助けが必要なのか?

そのためにはこれまでの生活歴や家族・仕事のこと等、色々と情報を集める必要があるのです。そのためにもコミュニケーションが大切。

ただ当時の自分はそんなに器用にお話を聞き出すことはできませんでした。

 

実習先の職員さんから教えて頂いたこと①

会話を続けるコツは「何で?」

 

とある利用者さんとのお話の中で「もう死にたい・・・」と悲観的な話をされる場面があり、私はどう返していいかわからず黙ってしまいました。

そんなときは「どうしてそう思うんですか?」と聞いてみてはどうか、とのアドバイスでした。その後、その利用者さんとはお話できる機会がなく実践はできなかったのですが、この「何で?」と思うことは会話のなかで大切な視点だと今でも思います。

 

実習が進むにつれて「利用者さんの生活支援」を考える作業が深まっていきます。

今まで他人と深く関わってこなかった自分が他人の人生について考察し支援計画を考えることは本当に大変でした。

 

実習先の職員さんから教えて頂いたこと②

「思い」は口に出してはじめて相手に伝わる

 

いっぱいいっぱいになっていた自分は、実習先の職員さんに「自分の考えていることや分からないこと」を正直に伝えました。伝え方もたどたどしかったかもしれません。後日、その職員さんから「あの頃から自分の考えを口に出してくれるようになって、指導もしやすくなった」と言って頂きました。

逆に「言わないと(どんなに自分が困っていても)伝わらないんだな」ということが分かりました。

 

 

 

最後に私が福祉の仕事をしたいと思ったきっかけとして、大学の先生の存在があります。利用者さんの支援計画を考えるとき自分がどんな意見を言っても、先生は「絶対に否定しない」のです。「そういう考えもあるね。ただこういう風に考えてみるのはどうだろう?」と提案をしてくれる。この「相手を受容する」という福祉の基本的な姿勢が、私にとってはとても心地よく、そして自分もこういう軸を持った人間でありたいなと思うことができました。

 

 

  

夢中になれる対象を見つけた

最後になりますが三つ目です。理由としてはこちらです。

・自分の意思をもつことができた

・好きなものを追いかけるために行動力が身に付いた

・自分でお金を稼ぐことの大切さを学んだ

 

中学1年生の時にアイドルグループの「嵐」のファンになりました。

クラスメイトからいじめられている時も、対人関係に悩む時も、毎日辛くて生きていたくないと思う時も、嵐という存在に私は救われていました。

 

ファンになった事をきっかけに「ファンクラブに入りたい」「コンサートに行きたい」という自分の意思が生まれ、そして「お年玉を貯金してグッツやコンサート代金にする」「アルバイトをして地方のコンサートに行く」など実際に行動に移していきます。音楽を聴いたりコンサートに行ったりバラエティ番組を観ている時は、心から楽しくて、応援することが生きがいとなっていました。

 学生時代には嵐のことでクラスメイトと話すこともできましたし、友人もできました。

 

 

夢中になれる何かを持つことは大切なことだと思います。

・辛いときには心の支えになる

・自分の中で「これがしたい!」という意思ができる

 

その対象が私にとってはアイドルという存在でしたが、

例えば漫画やゲーム、お絵かき、音楽、などなど何でもいいと思うのです。

自分の中で「これが好きだ!」と思うものがあったらそれは大切にしてほしいです。

 

場面緘黙の克服にきっと役立ってくれると思います。

 

最後に

 

場面緘黙の克服に役立ったと思う3つの経験談について、わたし自身の経験談を交えて書かせていただきました。

 

まとめてみると以下の3つです。

・アルバイトの経験

福祉施設での実習体験

・夢中になれる対象を見つけた

 

どれも私にとって重要な経験だったと思います。悩んでいる人へ、どれかひとつでも取り組めそうなものがあったら実践してみて欲しいなと思います。

 

このブログが何かの参考になりましたら嬉しく思います。

 

では、また。